狂愛ラバーズ

02.うちの妻

朝から止む気配が全くない雨。





結婚前は鬱陶しいと面倒だとやる気が起きない日だったのに、結婚後はガラリと変わった。





雨の日は最高だと言ってしまいたいほどに。





定時まであと1時間……時間を気にしすぎて仕事どころじゃない。




「三上さん、今夜飲み行かない?」

「えーと……ごめんなさい。」


「何?用事あるの?」


「はい……ちょっと。」


「じゃあ、明日は?」





もうすぐ定時だからか私語が目立ち、苛つきが増す。





課長に視線を移せば見て見ぬフリをしていて、仕事は出来るが気弱な性格のせいか注意出来ないでいた。





自分より下なんだから少しばかり偉そうな事言っていいものの………一度嘗められちゃ取り返しがつかなくなるのに。





腹の底で舌打ちし、問題の奴を睨みつける。




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