プリンセスの条件
*お姫様の告白
あの夜以来。
こんな真正面から翔太の顔を見るのは。
そしてあの時と同じ……。
翔太の瞳が、とても熱っぽいんだ。
ぜったい聞こえてる。
激しく動き過ぎて止まるんじゃないかと思ってしまうあたしの心臓の音。
期待してしまいそうになる。
ギュッとシャツを掴んで、翔太の熱い瞳を吸い込まれるように見つめた。
「キスしていい?」
「なんで……あたしに?」
「したいから。……マイと」
質問の答えとしては十分。
だけど、あたしの心はもうそれだけじゃ不十分なんだ。
キスをする理由が、キスをしたいと思う理由が……
あたしと同じであってほしい。
「イヤ。……それじゃイヤ」
「え?」
「もう、簡単にキスしたりしたくない」