蔓薔薇

聞き飽きた言葉

朝早くから、近所迷惑な程に
私の部屋のドアをドンドンと
強くノックする音が響く。

「ミオ、いないの?
 母さんだけど…ミオ
 じろじろ見てるんじゃ
 ないわよ」

隣人のドアが閉まる音がする  

私が、寝ぼけ顔で
ドアを開くのと同時に
母が部屋へ入って来る。

「ミオちゃん、よかった
 居てくれて・・・
 今日は、仕事休みなの?」

「うん、それより何
 また、お金?」

「そうなの、大家に家賃を
 支払ったら、食べる
 お金が無くなってね
 
 幾らか用立てて
 もらえないかなぁ」

そう、甘えた声を出しながら
お湯を沸かす母。

「アイツは
 
 仕事行ってるの?」
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