小さな恋【完結】

大知との最後の電話から数日後。


あたしの元に、意外な知らせが届いた。



「真依子ちゃん、聞いて~!!」


教室に飛び込んできた繭ちゃんはあたしの席の前で嬉しそうにピースサインをした。


「どうしたの?何かいいことでもあった?」


息を切らしている繭ちゃんにそう尋ねると、繭ちゃんは大きく頷いた。


「実はね、大知くんと付き合うことになったの!!」


「え……?」


今、何て言ったの……?よく聞こえないや。



「ごめん。もう一回言ってくれる……?」


ドクンドクンと不快な音を立てて鳴り続ける心臓。


聞かなきゃいけないのに、耳を背けたくなる。


だけど、無情にも繭ちゃんの甲高い声が耳に届いた。
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