誰よりも愛してくれなきゃ××

劣等感を満たして




「こっこあーっ!あのねっ、今日ねっ、職場でねっ!」


「ちょっと!しーっ!声でかいから!」


「ずーぅっとヒカリのこと見てくる人いるんだよー?」



「あー、はいはい」



だから声デカイって


ほんのすこぉーしトーンを下げたみたいだけど、すぐに興奮で盛り上がる声




「でねっ、友達に『あの人すっごいコッチみてくるんですけどーっ』って言ったらね、『ヒカリちゃんにかまって欲しいんじゃない?』だって!」



玄関のドアを開いた途端、うっとおしいくらいのテンションで真っ先に駆けつけてきて、止まらないマシンガントークを繰り広げる、彼女




「どぉしよーっ?怖くなぁーい?」



─… 朝比奈ヒカリ、19歳


こんなんでも立派なあたしのお姉ちゃん




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