プラトニック・ラブ

知られた秘密





「すっげー!」



あたしは帰宅一番、家に入るなり歓喜の声を上げた。


お母さんはニンっと笑うと、



「おかえり」



そう言って手元に視線を戻した。



隣でお母さんと一緒に作業をしていた瑠子は、あたしを見るなりダッシュで駆け寄って来る。


そしてそのままスピードを落とすことなくあたしへとダイブした。



「ぐお…」



ドスッと体に衝撃走る。



小さい妹と言っても普通に人間だ。


それなりの破壊力はある。




「おかえり! 見て見て綺麗になったでしょーっ!」



あたしが一瞬息が止まったことなんて気づくはずない、瑠子はそう言ってニカっと笑う。



「本当だ、綺麗」



そんな瑠子の頭を撫でてやると、嬉しそうに「ふふふっ」っと微笑んだ。




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