忠犬彼氏。
*好きとか言われても困るんで

┣来るなと言っても来る駄犬



気がつけば翌朝。

私はいつも通り、けたたましい音を立てる目覚まし時計を止めて
無理矢理布団から出る。

そして目を覚まさせるためにも顔を洗って、そのままの足でリビングに行き、朝食を詰め込む。

それから歯を磨き、自室に戻り、着替えを済ませカバンを持ち、学校へ。


と、ここまではいつも通りだった。

しかしドアを開ければご想像通り、柴犬が待ちかまえていた。


「ストーカーって知ってる?」

「あ、先輩、おはようございます!
ストーカー、ですか?
しつこくつきまとって迷惑や危害を与える者
ですよね」

そんな笑顔で言われても困る。
っつか……

「細かいわ!」

「愛読書は広辞苑なので」

「嘘付け」

広辞苑は意味を調べるときにひくのであって意味もないのに辞書やらを読む輩がいるものか、バカタレ。


「嘘ですね」

ほんで認めたよコイツ。
なんなんだよ。

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