鬼畜な俺様執事
道標

灯り



結局、おばさんに散々根掘り葉掘りきかれて、朔夜はげんなりしていた。



それでもいちいち答えている朔夜に、私は羨ましさを感じた。



私が両親とこんな風に話したのは、一体いつのことだろう……



そんなことをボンヤリと考えていると、

「……さん?……綾香さん?」


不意に名前を呼ばれ、私が意識を戻すと、おばさんが私を優しく見つめていた。



「え、あ、すみません」



全く話をきいていなかった私をとがめることなく、おばさんはにっこり微笑んだ。



「かしこまらなくていいのよ。

色々話して疲れたかしら?大丈夫?」



親しみやすい笑顔を見せるおばさんに、私は頷いた。


< 372 / 385 >

この作品をシェア

pagetop