AKIRA

晶side



~ 名前:晶side  ~




「部活?」

 帰る準備をしていると、ニコニコしながら京子が聞いてきた。

「うん、カトは何か入るのかなって思って」

「ん、そうだな」

 考える振りをしてはいるが、一応決まってんだよな。俺は、やっぱテニス部だろ。だって、今まで陽と一緒にプレーできるのが夢だったし。

「お、あたしは」

 そう言いかけて、京子が今度は恥ずかしそうに頬に両手を宛がって呟いた。

「私はね、テニス部のマネージャーになろうかなって思ってるの」

「え?」

 マネージャー? テニス部の? なんで?

 なんかいらん心配が心を過る。

 ちらり、と陽の席を流し見た。

 アイツは、既にテニス部に入っている。誰かが言ってた。やっぱり中学で活躍してた分、所属するのも早かった。顧問に呼びだされて、入学後すぐに部活が始まったらしい。

 俺は、あれから、あの保健室以来、まともに話すらしてないんだけど。

 なんか、避けられてるって感じるのは気のせいだろうか……。

 俺がそんな心配をしていると、更に今度は寂しそうに「でもね」と京子は話を続けた。

「テニス部のマネージャーって、競争率激しいんだって」

「競争率が?」

「うん」

 なんでだ。そりゃ学校側もかなり力を入れている部分はあると思うけど、何でマネージャーの競争率が……そう考え始めて、気付く。



 もしかして、陽狙い、とか?

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