Rose of blood *short story*

出産

妊娠してもうすぐで10ヶ月。


お腹は想像してたよりも大きくて重たい。


何をするにも大変。



『順調ですね。母子ともに異常ありません』

「本当!?良かったぁ」



今は自室までお城の専医のジャスティンが来てくれている。


とっても優しくて、いつも相手を安心させるような話し方をしてくれる。


お医者様って感じ。


パパもそうだったな…。



『何か不安な事でもおありですか?』

「え?」

『お顔が雲ってらっしゃったので』

「いえ、先生がいつも丁寧に診察してくれているから、何も不安なんてないわ」



私が笑うと先生も安心したように笑い返してくれる。



「先生の奥様は幸せだね」

『残念ながらまだ未婚なんです』



ッッ!?


指輪をしてるからてっきり結婚してるものだと思ってた。






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