狼様の愛のカタチ理論
満月の契約
嫁になってもらう?
…お嫁、さん?
「…わ、私が…?」
目をパチパチさせながら、指で私自身をさすと扇李はコクリとうなずく
「お前以外にだれがいる」
睨みながら言う扇李の言葉に冷や汗が流れた
私が…扇李の花嫁に?
わたし、が?
「な、なんでっ…そうなるんですかっ!」
助ける変わりに、私に花嫁になれだなんて…常識の範囲を越えている
「なんでだと?言っただろ、ここを守る交換条件だ」
「それはっ、確かに言いましたけど!私は神様の花嫁になんてなれません!」
印があるとか、そんなの私には知った事じゃない!神様の花嫁になんかなりたくない!
「なりたく、ない…だと?」
フッと微かに鼻で笑い、私の腕を力強く握りドンッと壁に押し付けられてしまう
「ちょっ」
ズキッと背中に痛みが走って彼を見上げると、今にも唇が触れそうなくらい近くに扇李の顔がある―…
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