Platinum Kingdom【完全完結】
▼兄様のように。
ちょっと歩いていると、
和室の奥に洋風の部屋があった。
―――ここが、兄様の部屋なのだろう。
兄様が開けて、
「はい」
ドアを持っていてくれた。
兄様もモットーは“レディファースト”なのかな。
将来、兄様のお嫁さんになる方は本当に幸せだろうな。
そんな想像を膨らませながら私は、
「ありがとう」
私は部屋に入った。
そう言えば、兄様の部屋に初めて入ったな。
兄様の部屋はこの和風の家に似つかわず、
黒と白で統一されていた。
真っ黒のソファーに白のクッション、黒いベッドに白い布団みたいな感じで。
本棚は相変わらず、難しそうな洋書や和訳されていない原文の小説、経済学の哲学と書かれた分厚い本がたくさん並んでいた。
…頭が痛くなりそう。
「大したものは入ってないよ」
「そんなことないよ。勉強してるんだなぁ…って」
「更紗は勉強してるか?」
「勿論…って言っても、兄様のようには勉強していないけど…」
「けど、今回の全国模試で二番だったんだろう?すごいじゃないか」