崩壊家族

1-2.初恋の思い出

家に帰ってポストを開けると、封筒が1枚入っていた。

その封筒を手にとって見てみると、『私立T高等学校の同窓会のお知らせ』と書いてあった。

「――同窓会か…」

私は呟いた後で家の中に入ると、封筒を破って中身のハガキを取り出した。

ハガキに書いてある内容を見ながら、
「場所は『エンペラーホテル』の最上階レストラン。

このホテル、すっごい高級なところよね?

幹事は……ああ、大西静子(オオニシシズコ)か。

あの子、クラス委員だったから当然か」

私は呟いていた。

読み終わったとたん、急に懐かしくなり、私は子機を手にとった。

幹事の名前の下に書いてある電話番号にかける。

「はい、久保です」

懐かしい友人の声が電話越しに聞こえた。

あれ、静子の名前は大西だったはず…ああ、そうだ。

静子、結婚したんだっけな。

結婚して名字が変わったのは当然のことだ。
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