浅葱色の羽織と共に……─時を越えた誠の愛─沖田総司ver

前兆

「タイムスリップ?」





高校の歴史部という部活の部室。
三人は週に一度の集まりをするこの部活に入っていた。といっても三人を除いてあと二人しかいない部活動だった。


タイムスリップの話を持ち出したのは佐伯祥之助。《Saeki Shounosuke》




「そう。歴史を変えるんじゃなくて出来るのを見るんだよ」
「ふーん。見てどうすんだよ」
「好きな歴史上の人物に会えるかもしれないんだよ。そう考えたら楽しみじゃない」
「うーん。見たら変えたくなるから俺はいいや」
「相変わらずだな。川崎」
「南雲は?」


もう一人の女の子、南雲千華《Nagumo Chika》。





「私?私は……新選組かな」
「やっぱり!?」
「なんだよー。結局女子は新選組が目的かよ」
「そんなこと言う祥之助だって、新選組好きなくせに!」
「まぁな……」
「結局、タイムスリップするなら幕末の新選組を見たいんだろ」
「まぁな」





正直、湊は歴史にはあまり興味がない。
ただ、一年生は部活に入ることが義務付けられているため、誘われるまま、歴史部に入っていた。


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