【完】寂しい夜は、あなたに逢いたい。

私がなくしたもの


シオンとの関係が数ヶ月続いた頃だった。



「秀」



「よ。これから時間あるかな?」



会社を出たところにいたのは、冬用のロングコートに身を包んだ秀だった。



「何しに来たの?天音はもう帰ったよ」



私はとがったように秀に言い放って、振り切るようにして前に進んだ。


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