秘密な彼氏

Chapter3

「――んっ…」

入ってきた舌が口の中をなでる。

繋いでいる手は、もうすっかり汗ばんでいる。

スクリーンのヒロイン同様、濃厚なキスをしています。


中里くんの件から1週間経った日曜日のこと。

私は隆志を映画に誘った。

「俺はベッドのうえでデートしてたい」

訳がわからないことを言っている隆志を無視すると、半ば強制的に映画館へ連れて行った。

ジャンルはもちろん、今話題の恋愛ものだ。

けど映画の途中、隆志が私と手を繋いできた。

ああ、飽きちゃったんだな。

でもかわいいから許すか。

最初はそれくらいの気持ちだった。
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