30才の初恋

秘書の仕事

「おい、モタモタするな、今日の俺の予定を全て把握しろ。」




もう、朝から怒鳴られぱなしだ。




「午後の会議の資料に目を通して、把握しろいいな。お茶も用意しろ分かったら返事。」




もうやってられない。




斗真は、いい加減な仕事をしない男だった。




毎日、斗真に怒鳴られクタクタだ。




秘書は重労働だと思う。




「明日美、俺の午後の予定は?」




「白鳥物産の社長と会合があります。その後、大和銀行の頭取と夕食を一緒する事になっております。」




「分かった、両方とも明日美も同行しろ。」




「私は結構です。」




「明日美に拒否権はない。同行は決定だ。」




信じられない。




毎日昼食も斗真と一緒、出社も退社も斗真がベンツで迎えにくるから一緒だ。




帰りぐらいは一人で帰りたいのに、いい加減にしてほしい。




「おい、今日は夕食も一緒だからな。」




やだ、帰る。




「夕食は寿司だぞ。」




大好きなお寿司が食べられるなら、我慢も出来るかも。




「明日美が単純で良かったよ。」




ムカつく。




ムカつくけど、お寿司には負けてしまうんだよね。














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