四竜帝の大陸【青の大陸編】

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「私としては豪華すぎると困るの。他の人達から見て反感を買うのは避けたいし、税金の無駄使いは良くないし。ここの生活水準が分からないけど、この服とか贅沢品でしょ?」

こんなドレス……日本人庶民の私じゃ、結婚式くらいしか、着ることない。
しかもこの触り心地の良さ! 
結婚式の予約をしたホテルの貸衣装とは、明らかにレベルが違う。
ウエディングドレスもカラードレスもデザイン優先で、素材は二の次って印象だったもの。

ちなみに白ドレスはもちろんレンタルで、15万。
レンタル代としては、けっして高いとは言えない金額かもしれないけれど、私としては買ったほうが安いかもって思った。
色ドレスは結婚式セットパックで、数着の中から選んだ。
お母さんの希望で、淡いピンクのふりふりドレス。
はっきり言って26の私には可愛過ぎるドレスだったけど、お母さんが喜んでくれるなら何だって着るつもりだった。
お色直しで着ぐるみを着てみたいと、高校生から考えてたんだけど。
安岡さんみたいなタイプは絶対にひく……。
あぁ、もろもろのキャンセル代。
私の貯金から払ってね、お母さん。

「ふむ、贅沢品ではあるな。だが豪華ではない。黄の竜帝がいる大陸にあるリーセチル共和国の貴族を見たらセイフォンの衣装が質素に思えるぞ。豪華がすぎて道化の域に達していてる」

道化?
ピエロってことだよね? 
ちょっと見てみたいかも。
おもしろそう。
言葉を覚えたら、この世界の国々を観光とかしたいな……。
お金無いから、働きながら旅して。
先のことより……今は目の前の事を考えなきゃ。

「他の国と比べるのは無しにしようよ。当分はここでやっかいになるつもりだから。ハクちゃんがセシーさんに伝えてね。豪華・贅沢は困るって。あ、角の立たない言い方でお願いします」
「まかせておけ!我もりこの役にたってみせるぞ」

そういえば、竜帝って何?
竜の王様のこと?
後で詳しく教えてもらおう!
王様も……綺麗な鱗の竜だといいな。

『つまり、妬みを買わない程度の生活をご希望ってことですの?』

セシーさんは綺麗に結い上げた髪からのぞく耳から下がっている赤い石のピアスを右手で触りながら……むむ、色っぽいなぁ……ハクちゃんと念話している。 
白い肌、紅い唇。
春の日差しのような柔らかな金髪に紅茶色の瞳……。
ピアスをいじる細く長い指には整えられた爪。
塗られたネイルは可愛らしい桃色。意外な色だったけど(真っ赤とか好きそうなのに)似合ってる。
私……着替えの時に軽くメイクしてもらってるけど。
セシーさんは口紅以外はそのままっぽい。
なのにこの美しさ、色っぽさ!
私が男だったら、きっと彼女に夢中になる。

ハクちゃんが竜で良かったぁ。 
人類だったら、私と彼女を比べてがっかりしちゃうもの。
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