愛しき人

10月

月日は流れ・・・・もう秋になっていた・・・

私と、俊哉(企画開発部 課長)は付き合い初めて、2か月目になっていた。

でも、大好きな俊哉に隠し事をしている・・・・

私の自宅の事。あのアパートは仮のおうち。
でも、この頃、このおうちで過ごすことが多くなってきていた。
俊哉と二人っきりで過ごすために・・・
本当のマンションには連れて行けないから・・・

そして、もうひとつ。大きな隠し事・・・

本当は私が、片瀬 美咲ではないこと。
そう、本当の名前は、一之瀬 美咲。  片瀬は母の旧姓・・・
入社するとき、一之瀬は目立つから、片瀬を名乗ることにしていた。


好きになれば、なるほど、言えなくなっていった・・・

俊哉のまた、他の人みたいに、金持ちのお嬢様って目で見るかもしれないから・・・


そんな状態の時に、父から電話がかかってきた・・・

「美咲!お前は何をしている?自宅にも帰らず、遊び呆けているのか。」

『家には帰っているよ。でも、ダミーのほうだけど・・・』

「なぜだ?あのマンションは気に入らないか?だったら、他を探す。」

『違うの。高級すぎて、お友達を読んだりできないの・・・
だから、ダミーのアパートがちょうどいいの。お父さんごめん・・・』

「その気持ち、わからんではないが、あんなセキュリティーの甘いところ、一之瀬の大切な娘を住まわせることはできない。万が一ということもあるんだ。少しはお父さんの気持ちも考えてくれない・・・」

『ごめんなさい。お父さん・・・今日は、マンションに帰ります・・』

「そうしてくれ。」

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