【完】キミがいた夏〜Four years later〜
■悲しいドライブ■
side 渚
**side 渚**
綾香に誘われて今日、ドライブに行くことにした
免許を取ったから、運転をしてどこかに出掛けたいんだと言う
それは多分口実で
また元気のなくなっている俺を元気付けようとしているのかもしれない
あまり外に出掛けたくないのは、夏がくれば毎回同じで
どこに行っても美鈴を思い出してしまうから
その温もりを取り戻したくて、まったく別の女を抱く
無意味だとわかっているのにやめられない
自分の弱さに嫌気がさしてくる
「どお?この車?」
綾香が車を運転してマンションの前まで迎えに来た
「どうしたのこれ?」
「今度洗車することを条件に、お姉ちゃんの車を借りて来たの」
「へぇ~」