『仰せのままに、お嬢様』《完》

2 執事だから

     ☆☆☆☆☆



翌日の朝、楓さんは予定の
時間を10分ほど遅れて
部屋に迎えに来た。


「申し訳ございません、
リリカ様。

車の手配に少々手間取って
おりました」


「車の手配? 
って、どうしたの?」


いつものリムジンは、普通に
ガレージに停めてあるはず
だけど。


「はい。リリカ様には
ご不便をおかけいたしますが、
本日からは校門前まで送迎を
させて頂きたく存じます。

そのため旦那様にお願いし、
ごく一般的な自家用車を
手配して頂きました」


「えっ……」


驚いて一瞬目をパチクリさせる。

でも、すぐに気づいた。


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