LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】

N//呼び間違う名前




「んッ…ふぅ…っ……」



夢か現実か、区別が付かない事が、今まであっただろうか。

初めてまともに話した、お客さん。

大好きだった彼。

香椎海斗さんに、キスをされた。

家族の事を芽以外に、打ち明けられた。

そして、大人の意見をくれた。

海斗さんには綺麗な彼女さんが居て。

私には、福智さんという彼氏が居るのに。

溶けてしまいそうな口付けは、甘くて苦い。

福智さんとキスをした事がない私。

ファーストキスだと見抜かれたように、優しく私の舌を絡め取られた。

何となく、この距離が怖くて避けてたのに。

怖くない。

上顎に舌が伸びて来た瞬間、体の力が抜けた。
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