こちらミクモ探偵事務所4

もう一人の姫


これで塔の階段を上るのは三度目だ。
できればこれで最後にしたい。

カツカツと紘哉の足音が響く。
その足取りは重く、ゆっくりとしたものだった。

「……」

天辺に着き、夏紀の寝ている部屋のドアを開けた。
ギーッと言う、木独特の音がなる。

彼女は眠っていた。
紘実達が彼女の身の回りを揃えたので、前回来たときのような禍々しい雰囲気は無かった。

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