空しか、見えない

第14話

「ルー、ここ、病院? マンハッタン? 今ニューヨークのどこにいる?」

 身を起こそうともがくが、腕には点滴がつながれている。
 ルーが顔の前に指を立てる。

「No,じっとして」

 ルーが押したナースコールで、背の高い、男の看護師が扉を開ける。

「Hello!」

 低くて野太い看護師の声は、続く。

「やあ、How are you doing? 気分はどうだい? JFKからここへ、直接救急で搬送されてきたのは、知ってる?」
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