悪魔のようなアナタ【完】

4.本物の悪魔




19:00。

灯里は会社が予約したビジネスホテルの一室にいた。

部屋は10階にあり、灯里がいるのは端の方の部屋だ。


あれから近くにあった総合病院に寄り、整形外科で一通り診てもらった後、薬をもらいホテルへと向かった。

幸いただの捻挫だったので、それはよかったのだが……。


灯里は部屋の中を見回し、はぁとため息をついた。

痛み止めを処方してもらったので耐えられない痛みではなくなってきている。

が、普通に歩くことはできない。

既に服は持参したTシャツとハーフパンツに着替えている。


「お腹すいたなぁ……」


展示会は17:00までだ。

そろそろ、皆引き揚げてくる頃だろう。


結局お昼は食べれずじまいで、夕飯もこのままでは食いっぱぐれてしまう。

このホテルはビジネスホテルなのでルームサービスはない。


灯里はここに来るまでのことを思い出した。

確かホテルの近くにコンビニがあったような……。

足の痛みも辛いが空腹はもっと辛い。

それらは灯里の脳内でしばらくせめぎ合った後、空腹の方に軍配が上がった。

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