悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~

3.玲士の実家



14:00。


灯里は玲士に連れられ、玲士の家の玄関の前に立っていた。

白い塀に囲まれた玲士の家は灯里の家の敷地面積の2倍ほどの大きさで、少し洋風な感じの建物だ。

両親と兄夫婦が住んでいるせいか建物自体はかなり大きい。

灯里から見ればかなりの豪邸だ。


緊張のあまり足がガクガクする灯里の隣で、玲士が呼び鈴を鳴らす。


『はーい』


女性の声とともに玄関のドアが開く。

重厚な感じのドアを開けたその先には、灯里の予想を超える光景が広がっていた。


「……」


なんだろうこの美形家族は。

予想していたとはいえ実際に見ると仰け反りそうになってしまう。

しかしここは頑張らないといけない。

灯里はびしっと背筋を伸ばし、ぺこりと一礼した。


「はじめまして、吉倉灯里と申します。本日はよろしくお願いいたしますっ」


叫ぶように言った灯里に、年配の女性が頬を緩ませて笑った。

――――玲士とよく似た美しい顔。

多分玲士のお母さんだろう。

もう年配ではあるが、透き通るようなその美しさに思わず目を奪われてしまう。


< 19 / 222 >

この作品をシェア

pagetop