スイートルームの許婚

~由可奈side~

確かに愛斗の言う通り、私は小説のネタに使った。



それはずっと昔からーーー・・・



愛斗の名前を使って、ヒロインの相手役を書き、愛斗の名前をペンネームにした。



作品の書く男の子は全て、基本は愛斗だよ。



愛斗を勝手に俳優にして、いろんな役を演じさせて、作品を書いてきた。



せっかく、愛斗と再会して、深い仲になれたのに。



なんで、こう現実は上手く、ストーリーが流れないんだろう。


「・・・」



私は椅子の背凭れに、背中を預け、考え込む。



このまま、私たちは別れるのかな?






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