クランベールの甘い日々 〜クランベールに行ってきます 番外編集〜

王子から恋人へ(1)

 傍らで眠るロイドを見つめて、結衣は小さく微笑んだ。

 指先で鼻の頭をチョンとつついてみたが、起きる気配はない。
 よほど疲れているのだろう。
 完全に爆睡状態だ。
 結衣は思わず、クスリと笑った。

 ロイドと共に日本からクランベールに戻ってみると、すでに真夜中になっていた。

 日付は変わっていなかったが、ロイドが出発したのが夕方だったというので、また時間がずれていたようだ。

 二人が現れたのは、人捜しマシンのガラスの筒の中だった。

 すぐにローザンが嬉しそうな顔で、筒の側まで駆け寄ってきた。
 彼は夕方からずっと、ロイドの帰りを待ち続けていたという。

 元々王子と二人で、ロイドの時空移動を見守っていたらしいが、夜遅くなっても帰ってこないので、王子には休んでもらったそうだ。
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