クランベールの甘い日々 〜クランベールに行ってきます 番外編集〜

ラフルール(1)

 朝食後、国王に挨拶を済ませると、結衣とロイドはパルメと落ち合い、三人でラフルールの街に出た。

 休日とあって、ラフルールの商店街はたくさんの人で賑わっていた。

 テラスから眺めていた時も、そう思ったが、近くで見てもやっぱりおとぎの国のようだ。

 赤茶色のレンガ敷きの道の両脇に、背の低い建物が並び、まるで日本にあるおとぎの国をイメージしたテーマパークにいるような錯覚に陥る。

 建物が低いので、科学が発達している割に、エレベータもエスカレータもないらしい。

 ロイドに尋ねたら、科学は人間が横着をするためのものじゃない、と怒られた。

 ただ、荷物用の昇降機はあるし、病院にはベッドごと人を運べる昇降機もあるらしい。

 必要なところにはちゃんと備えられているようだ。

 改めて眺めるラフルールの素朴な街並みに、そういう無粋なものは似合わないと心から思えた。

 本屋の前でロイドと別れ、結衣とパルメは商店街を歩き始めた。

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