クランベールの甘い日々 〜クランベールに行ってきます 番外編集〜

ラフルール(2)

 二人が睨み合っていると、周りでクスクスと笑い声が上がった。


「来い!」


 ロイドは結衣の手首を掴んで、逃げるように店を出た。

 通りに出て手首を離すと、ロイドは再び結衣の額を叩いた。


「大声でエロ学者とか言うな」
「そっちこそ、エロ雑誌なんか立ち読みしないでよ。恥ずかしいったら」


 結衣が額を押さえながら顔を背けると、ロイドはムキになって反論した。


「あれはセクサロイドの専門誌だ。最新のセクサロイドの情報が載ってるんだ」
「セクサロイド?」


 耳慣れない言葉に気を削がれ、結衣が不思議そうに尋ねると、ロイドは腕を組んで少し気まずそうに目を逸らした。

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