ランデヴー II

<素直な気持ちで>






賢治にさよならを告げてから。


私は何だかぼんやりと休日を過ごしていた。



彼は今どんな気持ちでいるだろうか、とか。


何をしているだろうか、とか。


倉橋君のことよりも賢治のことばかりを考えているから、不思議だ。



初めてのデート。


初めてのキス。


初めて体を重ねた夜のこと。


それからいつも、賢治と一緒に過ごしてきた。



別れを告げたのは私の方なのに、心残りのような悔恨にも似た気持ちが何故だか胸を満たす。


もしかして、彼と別れたことはやっぱり間違いだったのではないか……今更ながらそんなことすら考えてしまうのだ。


何て都合のいい女なんだろうと、そんな自分がまた嫌になる。
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