♂ vs ♀ ~続・男女寮戦争~《完》

花火大会

これで、よかったんだ。

後悔なんてしたくない。

もうあいつと毎日ケンカしなくていいし、どうでもいいことで悩まなくていいし…

あいつのことなんか、すぐに忘れてみせる。



教室から、窓の外を眺めるあたし。

青い空には、雲一つない。



もうすぐ夏休み。

季節が変われば、あたしの気持ちも自然に変わるだろう。



夏休みって言っても、七月は午前中だけ補修あるし…

あたしはため息をついて、補修用に買わされたテキストをパラパラめくる。



「みぃちゃん、勉強してんの?」

「いや…どんなのか、テキスト見てるだけ」

彼の声に、あたしはページをめくる手を止めた。
< 188 / 259 >

この作品をシェア

pagetop