ビター・スイート・ラヴ

ライターへの第一歩

「私は真紀さんのことが凄く好きよ! でも、それは愛とは違うんだ。だか
ら正直いまみたいに告白されても、それ対しに私は応えることができない‥
その代わり、今までみたく一緒にツーリングしたり、お酒を飲んだりしたい
なぁ。それじゃ、だめ?」



「いえ、全然OKです。いま言ったことは気にしないでください。それより
またツーリングに行きましょう!」



 真紀はことのほか明るく言い放ち、話題を変えた。



 真紀は今回のツーリングをレポートにまとめ、オートバイ誌何社かに
投稿してみた。



 女性二人旅はやはり珍しく、その上、色違いのイタリアンバイクでの
ツーリングとあって直ぐに掲載された。



 ちょうどその頃、専門学校の同級生達は一様に就職活動を始めていた。



 真紀も就活しなくちゃと内心焦っていた。ダメもとで出版社に売り込みに
行くことにした。



 ツーリングレポートが掲載された編集部を訪ねてみた。編集部の机の上は
物や雑誌で散らかり放題だった。その中でタバコを吸いながら仕事をしてい
る男性編集者に声を掛けてみた。



 真紀は先月の雑誌に自分の記事が掲載されたことや、ここでアルバイトを
希望してることなどを粘り強く、切々と訴えた。
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