こちらミクモ探偵事務所5

お父さんとイチゴ


あれから数分後。
横たわる恵一を傍らに、紘子は正座をしながら二人に向かって頭を下げた。

「見苦しい所を見せてしまってすみません」

「い、いえ……」

自然とこちらも正座になる。
紘哉は恵一を哀れに思いながらも、口を開いた。

「騙してすまない。悪気は無かった。ただ、ワトコの年齢やら色々考えると、兄妹にした方が話は通じると思って……」

「そう言うことだったんですか。まぁ、言われてみればそっちの方が楽かも……」

「紘子ちゃん、ごめんね?」

羽兎が手を合わせる。
紘子は首を振った。

「いいよ。この事はお姉達に内緒にしといてあげる」

「ありがとう!」

< 33 / 224 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop