ゴースト ――あたしの中の、良からぬ……

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「こんにちは……」


前回意識が飛んだときに何をしてたのかわからないままに。

あたしはおそるおそる黒川さんのマンションの扉をくぐった。


丁寧にあたしを迎える黒川さん。

一見いつもと変わらない光景。


(特にどうもなかったのかな……)


希望的観測のもとに、内心ドキドキしながら、いつも通り奥の机の上に荷物を置く。

デッサンの用意をしていると、黒川さんがあたしのすぐ後ろに立って、肩に軽く手を回した。


(……?)


ドキリとする仕草。


「こないだの絵、仕上げてみたんだけど見る?」

「え? あ、はい」

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