私を壊して そしてキスして

本気の印


柳瀬さんの「幸せなのか?」という問いかけに首を横に振った瞬間、溢れてしまった涙。

それを見た彼が、強く、強く抱きしめてくれて――。



「菜那、どうしてほしい?」

「――抱いて。私を、壊して?」


彼の優しい声に、そう答えてしまった私。

誰かの温もりが、欲しくてたまらない――。
たとえそれが、偽りの愛でも。


「んっ……」


すぐに塞がれた唇の隙間から彼の舌が侵入して来て、ゆっくり私の口内をうごめく。

後頭部に回された手が、がっちり私をつかんで、決して離れることを許してはくれない。


何度も角度を変えて繰り返されるキス。
そればどんどん深くなって、私を翻弄する。




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