野良猫みたいな男 ■

  不信感

***
不信感
***



「だからっ。違うって言ってるでしょ?!」

ーーもうっ。
嫌になっちゃう。


「この状況で信じろっていう方が無理だろ?!
 --まさか、朝子が・・・

 浮気なんてーーーー」

「だから、大輔の勘違いーーっ」


はぁ。と大きくため息をついて、
私は、5回目となるいきさつをもう一度話し始めた。


「だから、公園でーーー」

「もう、その言い訳はいいからーーちゃんと話して。」

大輔はブルーのネクタイを緩めながら
顔をしかめながら吐き捨てた。



彼は、堀川 大輔(ほりかわ だいすけ)
3年お付き合いしている私の『恋人』

喧嘩の原因はアレーーー。


夕方からすやすやと眠る『彼』

そりゃそうだろう。

仕事帰りに、彼女の家に来たら
知らない男がリビングで寝ているーーーなんて、
怒鳴り散らしたくなる気持ちもわかるわ。

でも、もう少し私の言うことを聞いてもいいじゃない。



それに、あの人…私と大輔の言い争いの中でも
目を覚まさないって、どういう図太い神経なのかしら。


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