ギルディラヴ~社長と誓う偽りの愛~
《8》禁色のビロード

~諒平side~

俺を訊ねて、『BP』のメンバーのコードネームはゼウス・本名は世良裕典(セラヒロノリ)が会社にやって来た。



誰もいない会議室にヤツを連れ込んだ。



「なんで…お前がここに来るんだ?」


「1週間前に警視庁の江南(エナミ)警視がホテルの一室で射殺された事件知ってるだろ?」


「俺はホストクラブの潜入捜査で…引退すると宣言したはずだ!」


「・・・俺は…ボスから何も訊いていないが」


「クッ…」


俺は唇を噛み締めて、声を殺す。


「いくら金を積んでも…組織から足を洗えると思うな…ボスからの伝言だ」


「くそっ!!」


俺はテーブルを拳で叩きつける。


「・・・警視の心臓をぶち抜いた銃は38口径のリボルバーの改造銃だ…銃弾が問題なんだ…どこから見つかったと思う?」


「!?」


「壁に深くめり込んでいたらしい…銃弾は中東で開発された防弾ガラスをも突き抜ける…最新型だ」


「だから何なんだ?」


「・・・大陸を渡って、知らない間に我が国に、最新型の銃弾が入って来たんだ。最新型の銃弾は1個単位で、売買されてる高級品だ。ある程度、大きな組織でないと購入は無理だ。銃弾の持ち主は腕利きの殺し屋、バックには大きな組織がいる。組織の目星はついている…中国マフィア…『黒龍』」




「・・・」


『四龍』の一つか…


発祥は…清の時代。元は清王朝を守護する『蒼龍』『白龍』『黒龍』『紅龍』と言う闇部隊だったらしい。


清が滅亡し、『四龍』の一族だけが生きながらえ、アヘンで巨万の富を得て、マフィアとなった。しかし、富を得るために一族同士の殺し合いが始まった。


『紅龍』は『紅龍』の志に賛同した色違い龍達を連れ、日本に渡った。
それが今のヤクザの『紅組』一派。
仁科組も一派に属していた。一派の元締めは東京に拠点を持つ『御子柴組』と『早木本組』だった。













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