××倶楽部

8


────社長とデートはお店の休業日。今日はシフト休みの日で私は久しぶりのお休みだ。


 トーストを焼いてバナナを切って生クリームをトッピングした朝食。のんびりしたい日には甘いものが一番だ。


「よし、できた!」


 それを持ってリビングのソファーに座った。


「おまえ、朝からそんな甘いもん食うと肥るぞ」


「うるさいな典、休みの日の朝から人んちでテレビ見てないでよ。暇人」


「俺は、アキ兄に呼ばれたから来たんだよ」


 典は偉そうにソファーの上で足を組む。


「食べる?」


 食べかけのトーストを出すと、無言で大口あけてがぶりと噛みついた。典は甘党だから、こういうの大好きだ。唇につけた生クリームがおかしくてクスクス笑っていると、お兄ちゃんが部屋に入ってきた。


 どこかに出かけていたらしく車の鍵を持っていた。

「お兄ちゃんおかえりー。典になんの用?」

「それより、母さんは?」


「二階で洗濯物干してるよ」



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