シンデレラに玻璃の星冠をⅢ

幕間3




――大地。


それは穏やかでいて荒々しい――

二律背反の母性の象徴。


生み出した生命を培う情愛の深さを見せつけながら、その生命を一瞬にして破壊させる非情さを併せ持つ。


足元から伝わる大地の震え。


それは――…

虚栄と執着に縛られ、傲慢さを生きる術とし…"生かされている"ことを忘れた、愚かなる人間達への…嘆きか、怒りか、嘲りか。



狂気に満ちたこの土地は、

やがて母なる大地の逆鱗に触れ、

破滅に至るだろう。


否、大地そのものが既に狂気なのか。


狂気に育てられた故に、

人間の滅ぶ結末は変えられないのか。


巡り巡る。


生から死へ、死から生へと…

生命は循環する。



時間を超越し、1つの円環で回り続ける。


しかし――

忘れてはならない。


新たに生まれ出でるものから、

過去の業は消えてはいない事実を。


輪廻という業の鎖に縛られ、

人間は罪から逃れることなど出来ないことを。

< 2 / 1,366 >

この作品をシェア

pagetop