薬指~未来への誓い~

小さな大きい光

『おめでとぅございます』



産婦人科での初診察。
長い髪を後ろに1つで束ねている少しふっくらとした女医さんが

私のカルテを見た後にそう言って笑いかけてくれたから…



『あ…りがとうございます』




私の人生二度目のこんな会話に少しだけ胸が苦しくなって…


それでも 永遠に鳴り止まないんじゃないかと思っちゃうくらい

喜びに高鳴っていたんだ。





『予定日は~…』

カレンダーらしきもので周期を照らす。


『8月の3日ね』


8月…


真夏だぁ~~。




『じゃあ、また検診に来てくださいね』

『ハイ』



診察室をあとに、待合室へ向かうと


真吾は、大きなお腹をした他の妊婦さんたちに囲まれて肩身の狭い感じでちょこんと座っていた。




『お待たせ』

『あ、終わった?大丈夫だった??』

『8月3日だって』

『…予定日??』

『そう』

『産む時暑そうだなぁ~』




あなたが産むわけじゃないでしょーが!!



『ヒマワリ植えよう♪』


ヒマワリ…。


小さい頃からずーっと私の一番大好きな花なの。

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