結婚しました!

ホントです。

泣いたカラスがもう笑った…

そんな言葉がぴったりだろう。

帰りの電車の中、

ニコニコしながらぴったりと寄り添ってくる音々に

ため息をつきながら俺は思った。

別に音々が嫌なわけじゃない。

寧ろ、可愛いし、手元に置いておきたい。

でも、

結婚となると別だ。

俺にとって結婚は鬼門なのだ。

38歳

若い頃は決してモテないタイプというわけではなかった。

いや、寧ろモテたのだ。

こう見えて、一応名の通った大学の法学部を卒業し、

弁護士にはならなかったが、

証券会社の顧問弁護士の秘書のような仕事をしていたのだ。

証券会社の女子職員からは、ずいぶん可愛がられて、

夜の相手は選り取りみどり

たぶん俺は天狗だった。
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