最高の偽装lovers

穂波side

・・・

触れるだけのキス。

それだけなのに、

なんだか自分がおかしくなった気分だった。

・・・

さっきまでの緊張や不安が、

ウソのようになくなっている。

・・・なんで?

不思議に思うけど、わからない。

考え込んでいると、

助手席のドアが開き、

浩輔がエスコート。

・・・

私は浩輔の手を取り、

一歩後ろを続く。

・・・

大きな料亭の、

一番奥の座席に通された私たち。

浩輔は、

「浩輔です。失礼します」

そう言ってふすまを開けた。

・・・

琉球畳のいい香りが、

漂ってきた。

私は、目線の先の両親に、

静かに会釈をする。
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