西澤さんと文子さん

対照的な反応


一方、兄二人に押しかけられた文子は、創輔の自宅で取れた野菜たちを使って料理中。トマトやきゅうりなど新鮮な食材ばかりで文子も少し驚いていた・・・。


「でさ~、お袋から聞いたんだけど、木下のババアの見合い引き受けたんだって?」


智視の声がリビングからキッチンに響いてくる。

「引き受けたって言うか、お母さんが勝手に決めてたから、引き受けざるを得なかったって感じ。」

「マジかよ~(笑)」

「文子の気持ち考えないで・・・で、どうなの?相手の男、いくつ?お兄ちゃんより年上?下?」


智視と入れ変わるように、今度は創輔の声がキッチンにやってくる。


「年上!38歳。」

「俺より年上か~(泣)」


そうこうしているうちに料理は完成。リビングに運びながら文子はこういった。



「私、その人とお付き合いすることになりました(笑)」



その言葉を聞いた瞬間、二人の兄は口にしていたビールを噴出し、おまけにむせた。

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