あの加藤とあの課長

好きすぎる

目を覚ましてまずしたことは、ベッドのシーツを乱暴に引き剥がすこと。

それを洗濯カゴに突っ込んで、シャワーを浴びて、身支度を整えて。


いつの間にかいなくなってた恋人の匂いを消すために窓を全開にした。



「……3時間…。」



私はヤるために早く上がったわけじゃないのに。なんでこうなるの…。

怠さと吐き気と頭痛の三拍子に顔をしかめた。


定時に上がったというのに、なんなのこの睡眠時間の短さは。



「…別れよ。」



そろそろ限界を感じていたし、ちょうどいい。



「いつ言おうかな…。」



すんなり別れてくれるだろうかという心配がないこともなかったが、耐えられないものは仕方がない。


別れ話が1度で済まなかったことは何度かあるし、別れてもストーカーされたことも何度もある。

そう考えると、別にどうってことなく思える。



「よし!」



ココアをお腹に流し込んで気合いを入れて、家を出た。
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