ツラの皮

シックス


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次の日はみっちりと撮影が詰まっていて、午前中は外での撮りだった。



昨日は昨日でかなり遅くまでドンちゃんやってたくせにスタッフの精力たるやハンパない。



山野の風が幾分涼しいとはいえ、直射はやはり厳しく、汗に崩れる化粧を幾度となく丁寧に直し返す。



鈴も鈴でアッチコッチから指示を受けクルクルと独楽鼠のように現場を駆け回っていた。



雑用の合間に出番を終えた暇な役者陣に呼び止められ、他愛無い会話を交わしている姿も見た。



特にトールなんかは可愛い外面をフル活用して鈴に取り入っているようで、一々腹が立った。







「眉間に皺よってるよ、高遠。いい男が台無し~。」




休憩中、麻生にからかわれ、自棄酒を煽るように缶ジュースを煽った。






「他人の色恋沙汰は娯楽の一種のように面白おかしく蔓延すんのが常なのに、今回は煙すら立たないってどういうことだ。」





現にこの間の夜這いの一件などは尾ひれ背びれがついた状態で次の日には知れ渡っていた。





まぁ今回は、知られたのが人生を悟った大御所集団と、トールなのだからそれも道理だが。



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