keep dream

4

「ああ、じゃあな」


涙が出そうだった。




「心!」

雅の大きな声が聞こえる。



振り向かずに立ち止まった私。



「元気そうで良かったよ。夢叶えたんだな。がんばれよ。」



少し待ってみたけどそれ以上声が聞こえることはなく・・・

私は小さくうなずくとその場を足早に後にした。





余りにもあっけない再会と別れにさっきの涙は何処へやら、もう笑うしかなかった。

さっきの、あのドキドキが、とても窮屈に思えて・・・



再会してしまった現実に心をしめつけられていた。





パーティーの間も雅の事でいっぱいで、


「早水さん?」

「あっごめん。聞いてなかった。何?」

「やっ…イイんですけどぉ~」

「なに?」

「あの人のことですか?」


「…」

「誰なんっすか、いったい」

「…」


「言いたくない?」

「そー言うわけじゃないけど」

「じゃあ教えて下さいよ。気になる」



この子のこの笑顔にはウソがつけない。





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