【完】結婚からはじまる恋《2》

ー深幸side-

頼は薄らと涙を浮かべて、近藤さんの部屋から出て来た。



「帰ろうか?」


「はい」



「車を入口に回して来ます…」



「頼む…高井田」



帝さんは先にエントランスの方に向かって走っていった。




「泣いていたの?」



「…じぃちゃんが近藤さんに宛てた手紙に少し泣いてしまった…」




「・・・」



私は頼にハンカチを差し出す。



「もう泣いてないし・・・大丈夫だ」


でも、頼は遠慮して、ハンカチを押し返した。


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