暗闇の鎌【読みきり短編集】
ユキヤ

労働という車輪は、後どのくらいで止まってくれるのだろう……

 ――貴方今日は何時に帰ってくるの!? 


――今日は遅くなるのよね? だったらご飯はいらないわね。


――帰りに朝食のクロワッサンを買ってきてくれる?


――貴方のシャツ臭いわねぇ……別々に洗わなくっちゃ。


――お帰りなさい、ごめんなさい、ついうっかり寝てたみたい。


いつからだろう。

世界で一番愛しく思っていた人に殺意を覚えたのは。


俺は毎日毎日疲労を溜め込んで帰宅するのに、お前はソファーで眠れて良いご身分だな。


誰のお陰で、そんな極楽生活を送れていると思っているんだ?
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