セカンド・ウエディング～彼の愛は濡れる雨のごとく～

ACT3＊口移しの飴

～杏SIDE～

私はどの顧客よりも懸命に藤ヶ谷課長の契約してる保険を吟味して、見直しプランを考えた。



「…あのヨーセーの藤ヶ谷課長…唸らせるのは新人の君には無理だと思うけど」


北条所長に私の見直しプランを確認してもらったけど。

いい返事はもらえなかった。



私は重い足取りでデスクに戻っていく。


心配する夕夏さんが私を休憩室に呼び出した。



「所長にダメ出しされたの？」


「別にプランはどれも良く出来てるけど…藤ヶ谷課長を納得させるのは難しいって」



「ふーん」